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国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 8

作成日:2024年8月28日更新日:2024年8月28日
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 8

国際認定テクニカルアナリストに独占インタビュー

2023年の春、ミルトンマーケッツのマーケット分析の舵を取ったシュウ・フジヤス・ジュニア氏。彼の独創的な視点は、国際認定アナリストとしての彼の旅の始まりから、日々の分析に至るまで、数多くのトレーダーにとっての羅針盤となっています。

Q1. 最近のインフレ低下と米国の経済成長鈍化が見られていますが、これがドル円の中長期的な方向性にどのような影響を与えるとお考えですか?

長期的には円高ドル安方向に推移する可能性が高く、具体的には130円台前半まで下落する可能性があります。この見通しの背景には、米FRBが利下げ方向への姿勢を明確化している一方で、日銀が緩やかながら利上げ方針を示していることがあります。

これにより日米の金利差が縮小する方向に向かっており、従来の円安トレンドとは逆の状況が生まれています。

米国の利下げが一巡し、再び利上げ期待が高まるまでは、ドル円は下落傾向が続くと予想されます。

ただし、以前ほど円が安全資産として買われる傾向は弱まっており、むしろ米ドルが安全資産として選好される傾向があります。短期的には上下の変動を繰り返すでしょうが、中長期的には円高ドル安の傾向が続くと考えられます。

Q2. ユーロドルは今年に入って幾度も反発していますが、今後のユーロ圏の経済政策や米国の金融政策がユーロドルにどのように影響すると予測していますか?

現在、EU主要国であるドイツの経済が停滞しており、EUは経済の落ち込みを受けて2024年6月に利下げを実施しています。

一方、これまで続いていた米国の高金利政策が転換点を迎え、ドル安傾向が生まれたことで、ユーロドルは反発の動きを見せています。

しかし、ユーロドルは現在1.12ドル台に達していない頭打ち状態にあります。今後の展開は、米国とEUのどちらがより経済的に弱いかという相対的な観点から判断されると考えられます。

景気の冷え込みがより厳しい通貨が売られる傾向にあるため、両地域の経済指標や金融政策の動向を注視する必要があります。

Q3. 景気の冷え込みがより厳しい通貨が売られる傾向にあるため、両地域の経済指標や金融政策の動向を注視する必要があります。

基本的には戻り売りと、私は考えています。

具体的なエントリーポイントとしては、例えばボリンジャーバンドの+3σ線にタッチした際に売りエントリー、あるいは200日移動平均線付近での反落を確認してエントリーするなどの方法が考えられます。

トレーダー個人のトレードスタイルや好みのテクニカルツールに応じて、具体的なエントリールールを考えてみてくださいね。

Q4. 4. ドルストレート通貨ペア(例えば、USDCHFやUSDCAD)の動向が最近注目されていますが、これらの通貨ペアについて、特に注目すべき経済指標やチャートパターンは何だと考えていますか?

USDCADの場合、原油などのエネルギー指標が重要です。

現在、中国経済の低迷による需要減少や中東情勢の混乱にもかかわらず、原油価格は下落トレンドにあります。原油価格の変動はカナダドルの動きに直結するため、原油価格が下落すればカナダドルは売られ、上昇すれば買われる傾向があります。

USDCHFは、欧州関連のリスクが高まった際に取引量が増加する傾向があります。特にウクライナ情勢などの地政学的リスクが高まると、USDCHFは下落しやすくなります。

現在のドル安環境下では、金利差縮小の観点からCHFが買われている状況です。

両通貨ペアとも、陽線・陰線が連続して出現するパターンが多く見られます。そのため、トレンドを意識したトレード戦略が有効だと考えられます。

Q5. クロス円通貨ペア(例:AUDJPY、EURJPY)が最近のリスクオン・リスクオフの流れで注目されていますが、今後の取引チャンスとしてどのように見ていますか?

クロス円は合成通貨であり、その動きを理解するにはドルストレート通貨ペアの動きを見る必要があります。

例えば、AUDJPY(豪ドル円)の場合はAUDUSD(豪ドル/米ドル)とUSDJPY(ドル円)、EURJPY(ユーロ円)の場合はEURUSD(ユーロドル)とUSDJPY(ドル円)の動きを考慮する必要があります。

現在の為替相場では「米ドル」が注目されており、「ドル安」が相場変動の主要因となっています。このため、例えばAUDUSDが上昇しUSDJPYが下落するような状況では、AUDJPYの方向性が不明確になり、非常に不安定な動きとなります。

EURJPYについても同様の状況です。

2024年8月下旬時点では、このような市場環境からクロス円取引は非常に難しい状況にあると考えられます。

そのため、ドル円やユーロドルなど、ドルストレート通貨ペアの取引をお勧めします。

Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)

認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得

FXや先物取引の第一線で20年以上の経験を持つ現役トレーダー。ファイナンシャルプランナーの資格保有者。電話取引の時代から取引を実践し、最近では裁量トレードから自動売買まで、幅広い手法で相場に挑み続ける。MAMトレーダーとしても実績を積み、投資家の資金を預かり運用。金融機関向けに記事を執筆するなど、トレードの枠を超えて活躍。長年培ってきた経験と独自の視点で相場を分析し、投資家の頼れるパートナーとして、時代の変化に柔軟に適応しながら、共に成長していくことを目指す。

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