米株価上昇、インフレと銀行救済の間で揺れる米金融当局【2023年3月15日】
2023年3月15日
Markets Analysis
目次
ファンダメンタル分析
- 米主要株価指数は上昇、銀行破綻の混乱が落ち着くとの見方
- 米コアCPIは予想を上回る、FOMCに利上げ圧力
- 米政府は保証額以上の預金も全面保護と声明発表
- 同じような経営構造である中小地銀の連鎖破綻が発生しないかに注目
- 次回FOMCではインフレ抑制か銀行システムの安定化で難しい選択
- 利上げなら銀行システム不安定化、利上げ停止ならインフレを抑えられず
- 前日の大きな値動きの反動で円安ドル高がすすむ
- 日経平均株価は200日移動平均線付近で押し目買い
- 原油は大幅安、米需要の減少が予想されレンジ下限を下回る
- ビットコインは直近高値を上回り、一時2万6,000ドル台に
- 露軍気に米無人機が撃墜されたと報道、地政学リスクの悪化に注意
テクニカル分析
通貨強弱を分析すると、いくつものファンダメンタル要因が重なり、マーケットは方向感を見極めようとしている。難しい相場展開である。原油はレンジ下限を下回り、直近安値を試すか。ドル円はゴトー日の動きが終わった後、再びリスク回避の動きが再燃するかに注目。
原油(USOUSD)
原油は大幅安。現時点ではテクニカル的にもファンダメンタル的にも分かりやすい銘柄。テクニカル的にはレンジ下限をブレイクしており、直近安値である70.2ドルを突破するかに注目。
レンジ内の高値に注目すると、82.6ドル、80.96ドルと高値が切り下がっていることが確認できる。ファンダメンタルを考慮しても、下落する確率が高いと判断できる。
予想レンジ | 70.24ドル~74ドル |
抵抗線 | 73ドル |
支持線 | 71.42ドル |
ドル円(USD/JPY)
執筆時点でドルの強さ・円の強さが拮抗している状態であるため、方向感が見極めにくい。移動平均線とフィボナッチエクスパンションを描画すると、ドル円は移動平均線付近で「陰線+十字線+陽線」となっており、4時間足では反発している。エクスパンションの100%ラインは140.35円付近。
米政府の救済措置が発表されたことを受けて楽観論が広がっているか。ただ、今後のニュース次第となり、焦点は次のFOMCである。
予想レンジ | 133.25~135.45円 |
抵抗線 | 135.02円 |
支持線 | 134.12円 |
ビットコイン(BTC/USD)
ビットコインは米ドル安の動きで大きく上昇し、一時直近高値を上回った。しかし、上値では売り圧力もあり、上ヒゲが出現している。再びリスクオンの動きが広まると、ビットコインも売りに転じる可能性がある。
予想レンジ | 23520ドル~25750ドル |
抵抗線 | 25260ドル |
支持線 | 24120ドル |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
米小売売上高米生産者物価指数(PPI) | 21:30 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。