英国のインフレが2桁を記録、今後の追加利上げは避けられず【2023年4月20日】
2023年4月20日
Markets Analysis
目次
ファンダメンタル分析
- 米主要株価指数は小幅反落、材料不足感があり主要企業の決算待ちか
- 英消費者物価指数は2桁の10.9%、市場予想を大きく上回る
- EU消費者物価指数は6.9%で予想どおり
- 英・EUも目標とされる2.0%のインフレ率には遠く、追加利上げは避けられず
- ドル円は135円台をキープできず、日銀政策修正はまだ先か
テクニカル分析
ポンドが全面高となっている。英消費者物価指数が2桁となり、インフレが収まっておらず、追加利上げは避けられない。一方、日本は低金利維持、米国も残すところ1回の利上げと予想されており、英国との金利差拡大からポンド円・ポンドドルは上昇する確率が高いと考えられる。
原油は世界経済全体が縮小に向かっているため、需要減少が予想される。よって、価格にも下落圧力が掛かり、窓を埋める動きとなる可能性が高い。
ポンド円(GBPJPY)
ポンド円の日足チャートを分析する。ボリンジャーバンドを描画すると、+1σ~+2σの間でバンドウォークの形成が確認できる。昨日の上昇によって+2σが抵抗線として働いた。本日は一度反落する可能性が高いと見られるが、+1σに近づけば、押し目買いをしたいと考えている。
ただし、+1σを下回った場合、バンドウォークが終了したと考えられるため、ポジションは決済する方針だ。
予想レンジ | 166円~169円 |
抵抗線 | 168.240円 |
支持線 | 166.730円 |
ゴールド(XAUUSD)
ゴールドの4時間足チャートを分析する。2000ドル台をキープできず、史上最高値更新は3回目の失敗に終わった。4時間足では一目均衡表の雲を下抜けしていることが確認できる。1960台まで反落後、何とか回復して転換線を上回っているものの、雲の厚みが出ており、何らかの材料がないと、上昇しにくいのではないかと考える。
ただし、買い意欲は依然として強く、米利上げ停止のタイミングで、もう一度上昇する展開が考えられる。しばらくはもみ合い相場となりそうだ。
予想レンジ | 1961ドル~2027ドル |
抵抗線 | 2011ドル |
支持線 | 1978ドル |
原油(OIL)
原油の日足チャートを分析する。窓を開けて勢いよく上昇し、各国で減産の動きが拡大して調整を図っているものの、需要減少の懸念の方が上回っているようだ。ファンダメンタル的にも上昇しにくく、テクニカル的には窓を埋める可能性が高いと考える。
参入するとすれば、売りポジションを持ち、76ドル台までで決済というシナリオを考えている。
予想レンジ | 76.6ドル~81.3ドル |
抵抗線 | 80.16ドル |
支持線 | 77.8ドル |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
欧州中銀議事要旨公表 | 20:30 |
中古住宅販売件数 景気先行指標総合指数 | 23:00 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。
執筆者
Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)
認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得