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FXのナンピンとは?最適な取引タイミングやリスク、取引時の注意点を詳しく解説
目次
ナンピンとは?
ナンピンは、漢字で「難平」と表記されます。この語源には、江戸時代の米相場で使われていた経緯があります。当時、「難」は損失を指し、「平」は平均化することを意味していました。つまり、ナンピンとは「損失を平均化する」ことを指していたのです。
FX取引におけるナンピンは、保有しているポジションに対して予想と逆の値動きがあった際に、新たにポジションを追加購入し、平均取得単価を下げる手法を指します。平均取得単価が下がることで、相場が元の予想通りに戻った時に含み損を早期に解消でき、さらに上昇すれば大きな利益を得られる可能性が高まります。
ナンピンの基本的な取引手法
ナンピンの具体的な取引手法は以下の通りです。
- 1. 上昇を予測して買いポジションを保有
例えば、1ドル=100円の水準で1万通貨の買いポジションを保有します。 - 2. 予測とは逆に値動きが発生し、含み損が生じる
しかし、予測に反して値動きが下落し、1ドル=95円まで下がったとします。この時点で含み損は5万円となります。 - 3. ナンピンを行い、平均取得単価を下げる
さらに1ドル=90円の水準で、追加で1万通貨の買いポジションを保有します。これにより、合計2万通貨の平均取得単価は95円に下がります。 - 4. 値動きが回復すれば、含み損の解消や利益確保が可能
この状態で、値動きが95円を上回れば含み損は解消され、さらに上昇すれば利益が得られます。
このように、ナンピンは含み損の解消を早め、相場の回復に備えるための手法と言えます。ただし、値動きが予想通りに戻らなければ、損失がさらに拡大するリスクがあります。
ナンピンのメリットとデメリット
ナンピン取引には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
1. 平均取得単価を下げられる
ナンピンにより平均取得単価が下がるため、値動きの回復を待つ水準が下がります。
2. 含み損の早期解消が可能
平均取得単価が下がれば、含み損が解消される水準も下がります。
3. 大きな利益が期待できる
値動きが回復した際、低い平均取得単価で大量のポジションを保有していれば、大きな利益が見込めます。
デメリット
1. 損失が拡大するリスクが高い
値動きが予想通りに戻らなければ、ポジションが増えるほど損失が拡大します。
2. 証拠金維持率の低下によりロスカットされるリスク
ポジションが増えれば証拠金維持率が低下し、ロスカットされる可能性が高まります。
3. 心理的負荷が大きい
含み損が膨らむほど、冷静な判断ができなくなりがちです。
このように、ナンピン取引にはメリットとデメリットの両面があり、リスクを十分に理解した上で活用する必要があります。
ナンピンがリスキーと言われる理由
ナンピン取引は、FX業界で「ハイリスクな手法」と広く認識されています。その理由は主に以下の4点です。
1. 資金管理が難しい
ナンピンでは、値動きの回復を待つ間、継続的にポジションを追加購入する必要があります。しかし、その間に資金が底を突いてしまえば、含み損の解消を待たずにロスカットを余儀なくされます。
また、下落トレンドが長期化すれば、それだけナンピンを継続しなければならず、投入する資金が莫大になる恐れがあります。例えば、2007年から2013年にかけての長期ドル安の間にナンピンを続けていれば、6年もの間、莫大な資金を投入し続けなければならなかったでしょう。
2. 心理的負荷が大きく、メンタルで誤った判断をしがち
ナンピンでは、含み損が出ているにもかかわらず、さらにポジションを増やしていきます。この心理的負荷が大きく、冷静な判断ができなくなりがちです。
「損切りをしたくない」という気持ちから無理にナンピンを続け、さらに値動きが悪化すれば、「ここであきらめられない」と過剰にポジションを重ねてしまう恐れがあります。
3. マイナススワップによる損失リスク
ナンピンではポジションが増えれば増えるほど、スワップポイントの支払い額も増えていきます。もし、保有する通貨ペアがマイナススワップ(金利の低い通貨を買い、高い通貨を売る取引)の場合、その分の損失が発生し続けます。
長期化すればするほど、この損失額も膨らんでいきます。そのため、マイナススワップの状態でナンピンを行うと、さらにリスクが高まります。
4. むやみな無限ナンピンによる大損リスク
無限ナンピンとは、値動きの回復を待ち続け、ポジションを無限に追加し続ける手法です。しかし、相場が思惑通りに動かなければ、含み損が膨らむばかりです。
初心者がこの手法を試みると、感覚的にナンピンを重ね、最終的に大損につながる危険性が高まります。資金に余裕がない限り、無限ナンピンは避けるべきでしょう。
ナンピンに適したタイミングとは?
ナンピンは、以下の2つの場面で有効と考えられています。
1. 値動きが一時的な調整と判断できる時
長期的な上昇トレンドの中で、短期的な下落があった場合など、値動きが一時的な調整にすぎないと見られるタイミングでナンピンを行えば、値動きの回復に備えられます。
トレンド転換の材料がなく、重要な値動きのサポートラインを下抜いていない場合が、このタイミングに当てはまります。テクニカル指標の活用も有効でしょう。
2. 含み損をできるだけ早く解消したい時
最初のエントリーレートまで値動きが戻るのを待つよりも、ナンピンを行えば平均取得単価が下がるため、より早く含み損を解消できます。
例えば、100円で買ったポジションが90円まで下落した場合、100円まで戻るのを待つよりも、90円でナンピンを行えば95円で含み損がゼロになります。
ただし、この場合もポジションが増えるため、証拠金維持率の低下に注意が必要です。
ナンピンを行う際の注意点
上記のようなリスクを抑えるため、ナンピン取引を行う際は以下の点に十分注意する必要があります。
1. 資金管理を徹底する
ナンピンではポジションが増えるため、証拠金維持率の変動に注意が必要です。その場の感情に流されてナンピンしてしまうと取り返しのつかないことになりかねません。資金に余裕を持たせ、計画的にポジションを増やすことで、強制ロスカットのリスクを低減できます。
2. 許容できる損失ならば速やかに損切りする
資金を守るため、あらかじめ損切りルールを決めておきましょう。例えば「○○円の損失が出たら損切り」「○○pipsの逆行があれば損切り」などのルールを設定し、それを守ることが大切です。
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