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コピートレードとは?詐欺回避のポイントと選び方

作成日:2024年7月12日更新日:2024年7月16日
コピートレードとは?詐欺回避のポイントと選び方

コピートレードとは

コピートレードとは、FX取引の世界で普及している新しい手法で、ベテランのトレーダーが行う取引をそのままコピーできるというものです。具体的には、あらかじめ登録されているストラテジーの中から、自分に最適なやり方を選んでおけば、システムが自動的にプロのトレーダーの取引を再現してくれます。

このコピートレードには、大きく分けて3種類のタイプがあります。

1. 完全裁量型

このタイプでは、フォローするプロのトレーダー(プロバイダー)が、注文から決済に至るまですべての判断を自ら行います。

2. 半裁量型

基本的な注文はシステムが自動で行いますが、急な相場の変動があった場合などには、プロバイダーが裁量で判断を下します。

3. システム型

システムが一切の注文と決済を自動で行うため、実質的には自動売買(EA)と同じ仕組みになります。

いずれのタイプを選んでも、取引のロット数は自分の資金量に合わせて柔軟に変更できる点が特徴です。

コピートレードと自動売買(EA)の違い

コピートレードと自動売買(EA)は、どちらも人の手を介さずに自動で取引が行われる点で共通していますが、その仕組みは異なります。

項目コピートレード自動売買(EA)
口座開設の必要性専用の口座を新たに開設する必要がある既存の口座で利用可能
レバレッジ制限されることもある裁量トレードと同様
スプレッド裁量トレードと同様裁量トレードと同様
費用成功報酬や手数料がかかるEAの購入代、VPS契約料がかかる
設定の難易度簡単比較的簡単
変更可能な範囲ロット数のみ、自分の判断で中途決済可能ロット数、トレードルール(数値設定)も変更可能

コピートレードは、プロのトレーダーに運用を任せたい人向きで、自動売買はある程度自分でロジックを設定したい人に適しているといえます。

コピートレードのメリット

コピートレードには、以下のようなメリットがあります。

1. 専門知識がなくても取引可能

コピートレードでは、実際の取引判断をプロのトレーダーが行ってくれるため、FXについての深い知識がなくても問題ありません。口座開設、入金方法、フォローするトレーダーの選び方さえマスターしていれば、初心者でも利用できます。

2. チャート監視が不要

フォローするプロのトレーダーが、リアルタイムの相場動向を常に監視してくれるため、自分でチャートを見る必要がありません。つまり、仕事や家事で忙しい人でも、時間に縛られることなく取引できるのです。

3. プロトレーダーと同条件で取引

コピートレードの最大の魅力は、ベテランのトレーダーと全く同じ取引ができる点にあります。エントリーのタイミング、利確のタイミング、損切りのタイミングなど、プロの手法をそのまま学ぶことができます。ただし、具体的な戦略までは分からないので注意が必要です。

4. 分散投資が可能

1人のトレーダーにすべての資金を集中させてしまうと、相場の急変で大損する危険性があります。コピートレードなら、複数のプロバイダーに資金を分散させることで、リスクを抑えられます。

5. 設定が簡単

コピートレードの設定は、プロバイダーの口座に連携するか、用意されているストラテジーから選ぶだけで済むため、非常に簡単です。一方の自動売買は、VPSの契約や複雑な設定作業が必要な場合があります。

6. 急な相場変動にも対応

自動売買では、経済指標の発表などで相場が荒れた際に適切な対応ができないことがあります。しかしコピートレードでは、プロバイダーが人間としての裁量判断を加えてくれるので、そういった事態にも柔軟に対処できます。

7. 初期費用が抑えられる

コピートレードを利用する際の初期費用は、月額の利用料と取引手数料くらいです。利益が出た場合にのみ、プロバイダーへの成功報酬を支払います。VPSなどの仮想サーバーも不要なので、コストを抑えられます。

コピートレードのデメリット

一方で、コピートレードには以下のようなデメリットもあります。

1. コピートレード提供会社が少ない

国内のFX会社で、コピートレードのサービスを提供しているところは限られています。そのため、利用したい会社のFX口座でコピートレードができるのか、事前に確認する必要があります。また、会社によってコピートレードの種類が異なるので、自分の希望に沿ったタイプかどうかもチェックしましょう。

2. 優秀なトレーダーの見極めが難しい

コピートレードを提供する会社では、プロバイダーの過去の成績や勝率などを公開していますが、それでも優秀なトレーダーを見極めるのは簡単ではありません。実力があるトレーダーをフォローしても、将来的に損失を出してしまう可能性は常にあります。

3. フォロー中のトレーダーが配信を止める可能性

成績の良いトレーダーを見つけられたとしても、その後ずっと稼げるとは限りません。フォローしているトレーダーが配信を止めてしまえば、自分の取引も停止してしまうためです。そういったリスクを避けるため、できれば複数のトレーダーをフォローしておくことをおすすめします。

4. トレード技術の向上が難しい

コピートレードでは、自分で取引の判断を下すことがほとんどありません。そのため、エントリーのタイミングや決済のタイミングを見ているだけでは、本格的にトレード技術が身につくことはできません。コピートレードで利益を出せたからといって、すぐに自力の裁量トレードで稼げるようになるわけではありません。

5. 成功報酬の支払いが必要

コピートレードで利益を出した場合、フォローしたプロバイダーに対して成功報酬を支払わなければなりません。一般的には利益の18%程度が成功報酬として設定されていることが多いので、その分を差し引いて実際の利益を考える必要があります。

優秀なトレーダーを選ぶポイント

コピートレードで稼ぐためには、優秀なプロバイダーを選ぶことが何より重要です。以下の4つのポイントを確認しながら、慎重に検討しましょう。

1. 成績グラフが右肩上がりで安定している

コピートレード提供会社のサイトでは、プロバイダーの成績グラフを公開していることが多くあります。優秀なトレーダーほど、このグラフが緩やかな右肩上がりの形をしていて、変動が小さいのが特徴です。一方で右肩下がりのグラフや、上下動が激しいトレーダーはリスクが高いでしょう。

2. トレード期間が長期に渡っている

たまたま相場環境と合致していただけのトレーダーを避けるため、トレード期間の長さも重視する必要があります。スキャルピングの場合は最低3か月、スイングトレードなら1年以上の実績があるトレーダーを選ぶのがおすすめです。

3. 適切な損切りを行っている

勝率が極端に高いトレーダーは、損切りをほとんど行っていない可能性があります。長期的に安定して稼げるトレーダーは、勝率よりも1回あたりの取引で利益が損失を上回ることを重視しています。損切りを適切に行っているかどうかは、トレード履歴から確認できます。

4. フォロワー数が多い

フォロワー数が多ければ多いほど、その人気とパフォーマンスの高さが伺えます。ただし、FX会社によってコピートレードを利用しているトレーダーの数が異なるので、「多い」基準は変わってきます。また相場環境次第では、フォロワー数が多くても損失を出すリスクはあるので注意しましょう。

コピートレード詐欺を見極めるポイント

コピートレードは合法的な取引手法ですが、一部で詐欺的な手口が横行しているのも事実です。以下のような特徴があれば、コピートレードを装った詐欺の可能性が高いので、警戒が必要です。

1. MAM・PAMMと偽っている

MAM(マム口座)やPAMM(パム口座)は、プロのトレーダーに資金を預けて運用を任せる投資手法です。一方のコピートレードは、トレーダーの取引をそのままコピーするだけです。

コピートレードは自分の口座で取引が行われますが、MAM・PAMMでは委託したトレーダーの口座で取引されます。つまり、コピートレードならいつでも取引を止めたり決済できますが、MAM・PAMMでは一定期間は資金を動かせません。

このように仕組みが全く異なるにもかかわらず、「コピートレード」と偽ってMAM・PAMMを勧誘してくる業者には要注意です。

2. SNSでの勧誘が過剰

TwitterやInstagramなどのSNSで、「FXで簡単に大儲け」「放置で資産が増える」などと書かれていたら、それは詐欺の可能性が高いでしょう。FX初心者が一発で大金を手にできるわけがなく、完全放置では利益は伸びません。

3. 一部のインフルエンサーによる過剰宣伝

SNSの過剰な勧誘と同じく、一部のインフルエンサーの中には高い利益率や確実な利益獲得を謳っている場合があります。すべてのインフルエンサーが詐欺的なプロモーションをしているわけではありませんが、「必ず儲かる」や「絶対損しない」などと主張するインフルエンサーには要注意です。

また、運用実態が不明瞭な場合も注意が必要です。例として、資金を入金後に悪質な運用を行い、入れた資金が溶けてしまったり、出金時に法外な手数料や出金拒否などが行われることもあります。

4. マッチングアプリ経由で勧誘される

近年、マッチングアプリを通じてコピートレードの勧誘をされ、詐欺に遭う被害が増えています。デートを重ねた後に「FXで稼げるからやろう」と言われても、決して承諾してはいけません。

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