FXブログ
初心者向け!勝てるFXスキャルピング手法
目次
スキャルピング手法とは
スキャルピングとは、数秒から数分の短時間で売買を完了させる投資手法のことを指します。1日に何度も取引を行い、小さな利幅をコツコツと積み重ねていきます。この取引スタイルの名前の由来は、ネイティブアメリカンが行っていた「頭皮を剥ぐ」という習慣に由来するとされています。相場から少しずつ利益を剥ぎ取るように、細かな値動きを狙う手法がスキャルピングと呼ばれるようになったのです。
スキャルピングの最大の特徴は、ポジションを保有する時間が極めて短いことです。短時間での売買を繰り返すため、長期間の相場変動リスクを抑えられます。
他の取引スタイルとの違い
FXには、スキャルピング以外にもさまざまな取引スタイルが存在します。代表的なものとしては、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードなどが挙げられます。
以下の表で、これらの取引スタイルとスキャルピングの違いをまとめました。
取引スタイル | 使用チャート | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
スキャルピング | 1分足~15分足 | ・1回のリスクが小さい ・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない | ・大きな利益は期待できない ・取引コストが嵩む ・相場に張り付く必要がある |
デイトレード | 5分足~日足 | ・1回のリスクが小さい ・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない | ・大きな利益は期待できない ・相場を頻繁にチェックが必要 |
スイングトレード | 1時間足~週足 | ・一度に狙える利益が大きい ・相場に張り付く必要がない ・取引機会が多い | ・1回のリスクが大きい ・ポジションを翌日に持ち越す ・週末リスクがある |
ポジショントレード | 日足~月足 | ・一度に大きな利益を狙える ・相場に張り付く必要がない | ・1回のリスクが大きい ・取引チャンスが少ない ・ポジションを翌日に持ち越す ・週末リスクがある |
スキャルピングは短時間で済むため、生活リズムを崩さずに取り組めるというメリットがあります。一方で、大きな値幅を狙えないというデメリットもあります。投資スタイルによって長所短所が異なるため、自分に合ったスタイルを選ぶことが重要です。
スキャルピングの売買手法
スキャルピングには、大きく分けて「順張り」と「逆張り」の2つの売買手法があります。順張りは値動きの流れに乗って売買を行う方法で、逆張りはその逆の手法を指します。
順張りの売買パターン
順張りの代表的な売買パターンは以下の5つです。
1. 上昇トレンドのサポートラインで買い注文
上昇トレンド時に、チャートの下値を結んだサポートラインに価格が接近した時に買い注文を入れます。上昇トレンドが継続すると見込んで、上値を狙う売買手法です。
2. 移動平均線のゴールデンクロスで買い注文
移動平均線は過去の平均的な価格推移を示す指標です。短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けた「ゴールデンクロス」が形成された時に、上昇トレンド転換の可能性が高まります。この売買サインを捉えて買い注文を入れます。
3. MACDのゴールデンクロスで買い注文
MACD(Moving Average Convergence Divergence)は、移動平均線と同様に価格の動向を示す指標です。MACDの2本のラインがゴールデンクロスを形成した時に、買いエントリーのチャンスと判断します。
4. レジスタンスラインブレイクで買い注文
レジスタンスラインは、チャートの高値を結んだ抵抗線のことです。この線を上抜けた時は、上昇トレンドが加速する可能性があります。ブレイクのタイミングを捉えて、買い注文を入れましょう。
5. ペナントブレイクで買い注文
ペナントとは、三角形状のチャートパターンを指します。この形状を抜けた方向に、勢いよく値動きが進む傾向にあります。ペナントを上抜けた時に買い注文、下抜けた時に売り注文を入れるのが一般的です。
逆張りの売買パターン
一方、逆張りの売買手法としては以下の2つが代表的です。
1. レンジ相場の高値売り・安値買い
レンジ相場とは、一定の値幅の範囲内で値動きが上下を繰り返す相場状況を指します。この時は、チャートの高値付近で売り注文、安値付近で買い注文を入れることで、値動きに逆らう売買ができます。
2. RSIを活用した売買
RSI(Relative Strength Index)は0~100の値で表される指標で、30以下になると売られすぎ、70以上になると買われすぎの状態を示します。RSIが30以下の時に買い注文、70以上の時に売り注文を入れることで、値動きの反転を狙えます。
スキャルピングでは短時間で売買判断を下す必要があるため、上記のような明確なエントリーロジックを持つことが重要です。実際の取引では、複数の売買パターンを組み合わせて、確度の高いタイミングを見計らうことをおすすめします。
スキャルピングのメリットとデメリット
スキャルピングには、以下の3つの大きなメリットがあります。
メリット
資金効率が良い
スキャルピングは1日に何度も取引を行うため、手持ちの資金を無駄なく回転させられます。獲得した利益を次の取引に繰り返し投入することで、複利運用による資産形成が可能です。
価格変動リスクが小さい
ポジションを保有する時間が短いため、大きな価格変動に巻き込まれるリスクが低くなります。長期的な相場の荒れに耐える必要がないので、資産価値の変動による精神的な負担も軽減されます。
取引経験を積みやすい
1日に数百回の売買を行うスキャルピングでは、成功と失敗を何度も繰り返すことができます。この過程で得られる経験値は、他の取引スタイルに比べて格段に多くなります。売買を振り返る機会が増えるため、スキルアップのスピードも早くなります。
デメリット
一方で、スキャルピングには以下の3つのデメリットもあります。
簡単ではない
数秒で済む取引だからといって、スキャルピングが簡単という訳ではありません。通貨の特性や時間帯別の値動き、重要経済指標の把握など、一定の知識が必要不可欠です。
さらに、瞬時の判断力や取引ツールの操作力、厳格なルール遵守とそのためのメンタル力も求められます。スキャルピングは手軽な取引スタイルですが、決して簡単ではないのです。
取引コストが積み重なる
スキャルピングでは取引回数が多いため、スプレッド手数料の負担が大きくなります。売値と買値の差であるスプレッドは、1回の取引ごとに発生するコストです。頻繁な売買を重ねるとこの手数料が積み重なり、利益を圧迫する要因となります。
取引環境の影響を受ける
FXの注文はインターネット経由でFX会社のサーバに送信されるため、通信環境の影響を受けやすくなります。0.001秒単位の僅かなタイムラグが、売買のタイミングを逸してしまう可能性があります。
優れた売買判断力があっても、通信の遅れや約定力の低さによっては、意図した取引ができない場合もあり得ます。スキャルピングでは、取引環境の影響を最小限に抑えることが何より重要です。
スキャルピングにはメリットとデメリットの両面があり、取り組む際にはそれらを十分に理解しておく必要があります。特にデメリットを克服するための対策を講じることで、スキャルピングで確実に利益を上げられるようになるでしょう。
スキャルピングの1回あたりの利益目安
スキャルピングでは、一般的に1回の取引で5~10pips程度の小さな値幅を狙います。
例えば、米ドル/円で10pipsの利益を狙った場合、1ロットで1,000円の利益になります。この水準が、スキャルピングでの標準的な1回あたりの利益目安と言えるでしょう。
一見少額に見えるかもしれませんが、1日に数十回から数百回と頻繁に取引を行えば、利益は着実に積み重なっていきます。さらに、複利運用の効果を加味すれば、長期的には大きな資産形成も夢ではありません。
スキャルピングでは、一発大きな利益を狙うのではなく、地道に小さな利益を重ねていく姿勢が何より大切です。1回1回の利益は控えめでも、頻繁に売買を行えば十分な収益が期待できるはずです。
スキャルピングで利益を出すコツ
スキャルピングで安定的に利益を上げるには、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。
1. 値動きが活発な時間帯と通貨ペアを選ぶ
スキャルピングは短時間で小さな値幅を狙う取引なので、値動きが活発な時間帯と通貨ペアを選ぶことが不可欠です。活発な値動きがあれば、短時間でも十分な利益を期待できるためです。
一般的には、世界の主要市場がオープンする時間帯が、スキャルピングに適しています。市場参加者が増えるため、値動きが活発になるためです。
日本時間で見ると、以下の時間帯がおすすめです。
- 東京市場オープン: 午前9時前後
- ロンドン市場オープン: 午後5時前後
- ニューヨーク市場オープン: 午後10時前後
特に、ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる午後10時から深夜1時頃は、最も値動きが活発になる時間帯です。この時間にスキャルピングを行えば、短時間で十分な値幅を狙えるでしょう。
一方、市場が閉まっている早朝や年末年始など、値動きが鈍い時間帯はスキャルピングに向いていません。このように、スキャルピングを行う上で時間の選択は非常に重要になってきます。
自身のライフスタイルに合わせて、最適な時間帯を見つけることが肝心です。会社員の方であれば、平日の午後10時以降や週末にスキャルピングに取り組むのが現実的でしょう。
2. 売買ルールを設定し、厳守する
スキャルピングではルールなき売買は失敗に繋がりがちです。そのため、「どの指標でエントリーするか」「どのタイミングで決済するか」といった具体的なルールを設定し、それを厳守することが重要です。
ルールを決めるポイントは、1回の損失を最小限に抑えることです。その点でいえば、以下のリスク管理方法がおすすめです。
- 2%ルール
- リスク・リワード比率の維持
2%ルールとは、1つの取引で許容する損失額を運用資金の2%以内に抑える方法です。例えば運用資金が100万円の場合、取引あたりの損失は2万円までに抑えるというルールです。
一方のリスク・リワード比率は、取引あたりの損失額と利益額の比率を一定以上に保つ手法です。最低でも1:2、つまり損失1に対して利益2以上を目安とすると良いでしょう。
これらのルールを守ることで、一時的な連敗があってもある程度の資金は確保できます。また、勝率が低くても長期的には利益を出せる計算になります。スキャルピングではリスク管理が命綱となるため、徹底することが大切です。
3. 適切なFX口座の選定
スキャルピングで稼ぐ上で欠かせないのが、適切なFX口座の選定です。おすすめのポイントは3つあります。
- スキャルピングを公認している
- スプレッドが狭い
- 約定力が高い
スキャルピングを禁止しているFX会社を選んでしまうと、口座が凍結されてしまう可能性があります。また、スプレッドが広がると取引コストがかさみ、利益を圧迫してしまいます。
さらに、約定力が低いと注文時のレートと実際の約定レートにずれが生じ、計画通りの売買ができなくなります。スキャルピングではこのずれが命取りになるため、約定力の高いFX会社を選ぶ必要があります。
スキャルピング向きのFX会社を選べば、より効率的に利益を積み上げられるはずです。
4. 長期足のトレンドを確認する
スキャルピングではメインの短時間足だけでなく、長期足のトレンド方向も把握しておく必要があります。FX相場は長期的には月足や週足などの大きな流れに沿う傾向にあるため、短期と長期のトレンドを組み合わせた分析が有効です。
例えば、長期足が上昇トレンドであれば、短期足でも上昇の機会を狙いやすくなります。長期足の大きな流れを意識しつつ、短期の値動きの中で有利なタイミングを見計らうのがコツです。
5. 実践を通して取引を振り返る
上記に加えて、スキャルピングで勝率を上げるための実践的な工夫もいくつかあります。
まず、値動きの活発な時間帯に集中して取引することで、機会ロスを防ぎましょう。また、複数のテクニカル指標を組み合わせて売買サインを確認し、より確度の高いタイミングを狙うことも重要です。
また、全ての取引について「通貨ペア」「時間」「売買量」「売買理由」「損益」などを記録しましょう。この記録を振り返ることで、自分に合った売買パターンを見つけやすくなります。取った記録は定期的に見直しすことがおすすめです。
スキャルピングは短時間の取引を繰り返すため、自分の売買傾向を把握しやすいのが利点です。この利点を最大限に生かし、着実に改善を重ねていくことが、スキャルピングで稼ぎ続けるカギとなるでしょう。
カテゴリー
最新の記事
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 11
作成日:2024年12月6日
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 10
作成日:2024年11月8日
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 9
作成日:2024年10月4日
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 8
作成日:2024年10月4日
基礎知識
FX出来高とは?市場の動きを読む指標
作成日:2024年8月21日
基礎知識
ロンドンフィックスを活用したFX取引戦略
作成日:2024年8月21日
人気の記事
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 11
作成日:2024年12月6日
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 10
作成日:2024年11月8日
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 9
作成日:2024年10月4日
インタビュー
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 8
作成日:2024年10月4日
基礎知識
FX出来高とは?市場の動きを読む指標
作成日:2024年8月21日
基礎知識
ロンドンフィックスを活用したFX取引戦略
作成日:2024年8月21日