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国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 5
目次
国際認定テクニカルアナリストに独占インタビュー
2023年の春、ミルトンマーケッツのマーケット分析の舵を取ったシュウ・フジヤス・ジュニア氏。彼の独創的な視点は、国際認定アナリストとしての彼の旅の始まりから、日々の分析に至るまで、数多くのトレーダーにとっての羅針盤となっています。
Q1. 最近、原油や天然ガスなどのエネルギー価格が大きく変動していますが、これが主要通貨ペアにどのような影響を与えていますか?
原油価格は短期的な上下はあるものの、下落基調となっている。中東情勢の不安定化やOPECの減産政策で緩やかとなっているが、世界経済が縮小してきているため、原油需要が減っていることが要因と考える。原油価格が70ドル前半に向かって行くのではないかと予想する。
日本に注目すると、原油を含むエネルギー価格が下落すれば、輸入コストが削減でき、円にとっては長期的に円高要因になる。経済状況に最も早く反応するのはエネルギー価格であり、エネルギー価格が下落しているということは為替相場のドル全面高相場も転換期を迎える可能性がある。
ドル円を含むドルストレート通貨ペアに注目したい。
Q2. 複数の国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入を進めています。これらの通貨の導入が外国為替市場に与える長期的な影響について、お聞かせください。
各国の中央銀行はデジタル通貨導入を検討しているが、まだ導入が決まっている国はなく、検討段階である。現段階の予想ではあるが、影響は限定的ではないかと思う。
仮想通貨と異なり、中央銀行が後押ししているため、ある程度の信頼性は保たれると考える。現段階では、情報が少ないため、今後の進展に注視したい。
Q3. 新興市場の通貨が近年注目されていますが、特に見逃せないトレードの機会やリスクについて教えていただけますか?
新興国は政策金利が高く設定されており、スワップポイントを狙ったトレードが人気である。為替相場ではドル全面高というのは変わっておらず、主要国のインフレが落ち着き、各国は利下げ時期を模索している。また、リーマンショック後の世界経済を引っ張ってきた中国の経済状況が芳しくない。
新興国は主要国の経済状況の影響を直に受けるリスクがあり、政策金利が高くても売られやすくなる。新興国通貨はボラティリティが大きいが単位も小さい場合が多く、証拠金が少なくて済むというメリットもある。
リスクとメリットの双方を考え、資金は分散してトレードするのがおすすめである。
Q4. 最近の国際的な政治不安(地政学的リスクや選挙結果など)が相場にどのような影響を与えているとお考えですか?
地政学リスクといえば、イスラエルのガザ侵攻、ウクライナ紛争の2つが挙げられる。5月には、英スナク首相が7月に総選挙を実施すると公表した。地政学リスクが上昇すれば、米ドル高やゴールドの買い需要につながる。短期的な上下はあっても、ゴールドは緩やかな上昇基調を続けていくと予想する。
7月の英総選挙実施にあたり、英国は6月の利下げがほぼ見送りとなる見通し。最近はポンド円が200円台に到達したことが話題となっているが、ポンド買いが強くなっている背景には、「英利下げが少なくとも総選挙後だ」という観測が高まったことが1つの要因と考える。
Q5. 現在の市場で注目すべきテクニカルパターン(例えば、特定の通貨ペアのブレイクアウトやリバーサルシグナルなど)について、具体的な分析をお聞かせください。
ゴールドに注目している。ゴールドの日足で「下げ三法」が出現している。下げ三法とは「陰線+数本の小さな陽線+陰線」という組み合わせで主要な下落シグナルの1つ。
ゴールドの週足では陰線の包み足が出現しており、下落シグナルが出ている。ゴールドは2500ドルに到達するには、しばらく時間がかかると考える。ただし、米利下げ観測が高まればゴールドは反発すると考える。
米国の経済指標が弱かったり、要人から利下げに関するコメントが発表されれば、ゴールドの買い需要につながる。
Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)
認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得
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