SNS投稿から数分で50ピップスの急落。その後、報道官の発言で急反発。1時間で往復100ピップス。こうした展開が毎週のように繰り返されている。

利益を出せるトレーダーもいる。しかし大半は、値動きの速さに翻弄され、損切りを繰り返す。

2025年の為替市場は構造的に変わった。経済指標ではなく、政治的な発言が相場を動かす。確認されていない情報、曖昧な表現、そして時には誤報。すべてが大きな値動きの引き金になる。

この環境で、個人トレーダーは利益を出せるのか?

ヘッドライン相場が常態化した理由

ひと昔前の為替市場は予測可能だった。

雇用統計、GDP、中銀の政策発表。大きく動くタイミングは事前にわかっていた。経済カレンダーをチェックし、ポジションを調整し、ボラティリティに備える。それができた。

今は違う。

トランプ政権の通商政策に予測可能性はない。早朝のSNS投稿で相場が動く。記者会見の一言で数時間分の値動きが帳消しになる。

最大の問題は情報の信頼性が判別できないことだ。

「関係者によると」「複数の情報筋」「政権内部で検討」

こうした曖昧な表現でも、相場は50ピップス動く。5分後に否定されても、損切りは既に約定している。

さらに厄介なのは、この状況に終わりが見えないことだ。米中貿易摩擦は短期的イベントではない。今後数ヶ月、場合によっては数年続く。

つまり「ヘッドライン相場」は一時的な混乱ではなく、ニューノーマルになりつつある。

なぜ個人トレーダーに不利なのか

ヘッドライントレードの本質的な問題は情報格差だ。

機関投資家が使うツール:

  • ブルームバーグ端末(月額30万円超)
  • 専属の政治アナリスト
  • ミリ秒単位でニュースを処理するアルゴリズム
  • 100ピップスの逆行に耐えるリスク管理

個人トレーダーが使うツール:

  • SNSのタイムライン
  • 数秒遅れの通知
  • 限られた証拠金

この構造では勝負にならない。

ヘッドラインが流れた瞬間、機関投資家のシステムは既に反応している。個人トレーダーがチャートを開いて状況を把握する頃には、最も危険な価格帯に入っている。エントリーした瞬間に含み損、というパターンが典型的だ。

これはスキルの問題ではない。ゲームの設計そのものが不公平なのだ。

もちろん、ヘッドライン相場で稼ぐ個人トレーダーも存在する。ただし条件は厳しい:

  • 瞬時の判断力(1秒の遅れが致命傷)
  • 大きな損失に耐える資金力
  • 専業として常時モニター監視

これらの条件を満たさないなら、参加すべきゲームではない。

ミルトンマーケッツが推奨する3つの代替戦略

では、どうすればいいのか。

1. ヘッドライン後のテクニカル反転を狙う

ヘッドラインで急騰・急落した後、相場は必ず落ち着く。この「落ち着いた後」を狙う。

具体的には:

  • ヘッドライン発生から30分待つ
  • レンジが形成されたことを確認
  • サポート・レジスタンスからエントリー

情報格差の影響が薄れた後なら、テクニカル分析が機能する。

2. 予定された経済指標に集中

雇用統計、CPI、FOMCなど、スケジュール済みのイベントは情報が平等だ。

全員が同時に数字を見る。スタートラインは同じ。あとは分析力と執行スピードの勝負になる。

これなら個人トレーダーでも十分に戦える。

関税ヘッドラインは短期的なノイズに過ぎない。

週足・月足レベルのトレンドは、一日のヘッドラインでは変わらない。長期的な方向性を見極め、押し目・戻りでエントリーする戦略なら、日々のノイズは無視できる。

ドル円が長期的に下落トレンドなら、関税ヘッドラインで一時的に上昇しても、結局は下がる。この「結局」を取りにいく。

投機とトレードは違う

ヘッドライントレードは投機だ。トレードではない。

投機は運と瞬発力のゲーム。トレードは分析と規律のゲーム。

ミルトンマーケッツは狭いスプレッドと高速約定を提供している。しかし、それは関税ヘッドラインで賭けるためのツールではない。長期的に勝てる手法を実行するためのインフラだ。

相場が読めない時は、無理に参加する必要はない。

待つこともトレード戦略の一部だ。ヘッドラインの嵐が過ぎるのを待ち、地に足のついたセットアップが来るまで我慢する。それが賢明なトレーダーのアプローチだ。

2025年の為替市場は確かに難しい。しかし、難しいからこそ、戦う場所を選ぶべきだ。

不利なゲームからは降りる。有利なゲームだけに参加する。

それが長期的に生き残る唯一の方法だ。