クレディスイス株が急落、欧州銀行株も連鎖で急落し大混乱【2023年3月16日】
2023年3月16日
Markets Analysis
目次
ファンダメンタル分析
- クレディスイス銀行を巡って欧州市場は大混乱
- クレディスイス株は一時32.9%の急落、1.8スイスフランドル
- 経営不安から投げ売り状態、欧州銀行株も軒並み下落
- クレディスイスの筆頭株主が追加支援を拒否、経営破綻の不安拡大
- ユーロが大幅安、ユーロ関連通貨ペアは軒並み下落
- ECBの政策金利が発表されるが、市場の関心は銀行システムの先行きに移行
- クレディスイスは富裕層向けサービスをメインにしており影響は大きい
- クレディスイス株の下落はリーマンブラザーズの株価推移に類似
- スイス金融当局はクレディ・スイスに必要な流動性を提供する可能性に言及
- クレディスイスは巨大銀行であるため、政府が救済できない可能性もある
テクニカル分析
チューリッヒに拠点を置くクレディスイス銀行の株価が大暴落。当然、安全資産であるはずのスイスフランはリスク通貨とみなされ売り圧力にさらされる。米ドルも銀行破綻が1週間で3行と連なった。米ドルもリスク通貨。残る安全資産はゴールドと日本円。どちらも急騰。特にユーロ円の下落は激しく、ユーロ全面安相場が欧米時間に継続した。
ユーロ円(EURJPY)
ユーロ円はユーロ安円高の構図で激しく下落したものの、スイス当局がクレディSに対する声明を発表し反発。140.60円付近の反発が大きく、141円台まで回復している。141.37円付近まで回復した場合、戻り高値が意識されて反落する可能性がある。日足チャートを見ると、200日移動平均線を割っており、RSIも44で推移。今後138円台を目指す可能性がある。クレディS関連のニュースに敏感に反応するため、注意が必要。
予想レンジ | 139.55円~142.37円 |
抵抗線 | 141.95円 |
支持線 | 140.59円 |
ゴールド(XAUUSD)
ゴールドは1922ドルの抵抗帯が大きく、上ヒゲを形成した。スイス当局が声明を発表しても、懸念材料がなくなったわけではないため、リスク回避の動きは当面継続すると予想される。調整や利益確定により反落することが考えられるが、押し目買い方針。1時間足では明確にトレンドが見られ、1914ドルの高値を下回らず、上昇トレンドを維持できるかが焦点となる。
予想レンジ | 1902ドル~1941ドル |
抵抗線 | 1911ドル |
支持線 | 1930ドル |
ドル円(USDJPY)
ドル円は132.20円を下回ることができなかった。反発の動きでドル円は133円台まで回復。一度は落ち着きそうだが、やはり円高要因が強いため、下落する確率が高いと予想。よって、売買方針は戻り売り。日足チャートではRSIが47と、下落基調の水準となった。200日移動平均線が抵抗線となり反落しており、チャートの形から見ると、下落方向である。ニュースに注意したい。
予想レンジ | 131.60円~134.08円 |
抵抗線 | 133.75円 |
支持線 | 132.65円 |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
豪雇用統計 | 9:30 |
欧州中央銀行政策金利発表 | 22:15 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。