ドイツ銀行の株価急落、欧州の銀行株に再び売り圧力【2023年3月27日】
目次
ファンダメンタル分析
- 欧米政策金利について当局者と市場予想が乖離、当局者は利上げ継続を強調
- 市場は6月にも利上げ停止を織り込む、株価が上昇の要因か
- オーストラリアは次回利上げ停止方針を明確に、豪ドル売りにつながる
- ロシアはベラルーシに戦略核兵器配備計画を発表、地政学リスクに影響するか
- 先週の円高の動きの調整、本日の朝は円売りの動きでスタート
- ドイツ銀行に市場は注目、株価が一時14%下落
- 一方、アナリストはドイツ銀行の8半期黒字を指摘
- 原油は下落、70ドルを下回って終値を迎える
テクニカル分析
金融不安がくすぶっており、ユーロ売り・ドル売りに警戒が必要。ドイツ銀行の擁護をする発言も多く、一時急落したユーロドルは持ち直しの動き。円高は一服したが、円高リスクに警戒。欧州には金融不安リスクと地政学リスクが加わるため、ユーロ円の下値リスクに注意が必要だろう。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルに大きな平行チャネルを描画すると、現在は上昇チャネルの中で推移していることが確認できる。ドイツ銀行の懸念が解消に向かえば、1.10ドルに再びトライする可能性がある。一方、地政学リスクが意識され、ユーロ売りになれば、1.050ドルが主要なサポートラインとなるだろう。
日足のRSIは54付近となっており、上昇基調は継続のままである。よって、本日は押し目買い方針を維持したい。ただし、1.07ドルを割れたら、一度ポジションを整理し、新たな材料が出ていないか確認する。
予想レンジ | 1.0690ドル~1.0863ドル |
抵抗線 | 1.07820ドル |
支持線 | 1.0730ドル |
豪ドル/米ドル(AUDUSD)
豪ドルは売り圧力が強まりやすいファンダメンタルとなる。ただし、米ドル安も考慮する必要があるだろう。豪ドルで考えたいのは0.6560ドル~0.6620ドルの抵抗帯である。ここの間ではレンジ相場が想定されるが、相場の形状からネックラインと考えることができる。
0.6560ドルを下回ると、大きく下落する可能性が高まると考えられる。その場合、0.6390ドルまでの下落に注意が必要となる。
予想レンジ | 0.6583ドル~0.6720ドル |
抵抗線 | 0.6686ドル |
支持線 | 0.6617ドル |
ナスダック100(NASDAQ100)
金融株が含まれていない株価指数であるナスダック100は上昇トレンドとなっている。金融関連株から他の企業に資金が流れている証拠となる。当局者は利上げ継続を訴えるも、市場では6月の会合で利上げ停止も見込み、株価が上昇。
13070ドルに大きなレジスタンスラインがあり、本日は13000ドルにトライできるかが焦点となりそうだ。ただし、米国景気悪化となると、株価全体が下落する要因となるため、今週発表予定の米GDPに注目である。
予想レンジ | 12570ドル~13070ドル |
抵抗線 | 12930ドル |
支持線 | 12750ドル |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
英中銀総裁 講演 | 翌2:00 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。