米国のインフレ鈍化が明白、欧米の金利政策の見通しに差異が発生【2023年4月14日】
2023年4月14日
Markets Analysis
目次
ファンダメンタル分析
- 米主要株価指数は大幅高、米経済指標でインフレ鈍化が明白に
- CPIに続きPPI(生産者物価指数)も市場予想を下回る
- 米インフレ鈍化が示唆、米年内利下げ観測期待が高まり株価が上昇
- ユーロ圏金融当局者はタカ派発言、欧米の金利政策見通しに差異
- 豪雇用統計は市場予想を大幅に上回る
- 市場の関心は米国の利下げタイミングに移行
- 原油は反落、200日移動平均線を超えられず
テクニカル分析
米生産者物価指数が市場予想を下回り、米インフレ鈍化が明確に示唆された。マーケットはドル売りが優勢になった。注目したい銘柄はゴールド。強い大陽線で2040ドル付近で終値を迎えている。この価格帯での終値は1年ぶりとなる。今回は、3回目の史上最高値更新が果たせるかに注目が集まっている。
ドル円はドル売りにより下落したが、円も売られやすくなっており下値は限定的。ユーロドルは強いドル売りの動きによって堅調に推移している。
ゴールド(XAUUSD)
ゴールドの史上最高値は2022年3月の2070ドルである。今回は3回目の史上最高値更新へのトライとなる上昇トレンドだ。上昇トレンドの起点を基準に描画したフィボナッチエクスパンションの61.8%に価格が反応している。100%に該当する価格は2150ドル付近となり、目先は2070ドルの史上最高値を更新できるかが注目である。
過去2回の2040ドル台で推移していた際は、RSIの数値がどちらも70以上となっており、反落しやすい相場環境となっていた。しかし、今回はRSIの数値が65となっており、上昇の余地が残されている。
予想レンジ | 2005ドル~2070ドル |
抵抗線 | 2048ドル |
支持線 | 2030ドル |
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルは堅調に上昇している。上昇トレンドの基準となる部分にフィボナッチエクスパンションを描画すると、61.8%に明確に反応していることが確認できる。ドル売りが強まっており、上昇トレンドは継続する可能性が高いと考える。目先の目標は100%に該当する1.1125ドル付近。
欧米の金利政策の違いも意識されているため、ユーロがドルよりも相対的に買われやすくなっている。
予想レンジ | 1.090ドル~1.1186ドル |
抵抗線 | 1.110ドル |
支持線 | 1.10ドル |
豪ドル(AUDUSD)
豪ドルは良好な雇用統計をきっかけに200日移動平均線を上回った。オーストラリアは利上げを停止しており、雇用統計が良好であれば買われやすい相場環境となっている。直近高値の0.67930を更新した。
米ドル安の動きが継続する可能性が高く、豪ドルは上昇を継続するのではないかと考える。0.67930ドルを明確に上回ると、しばらく上値は青天井が拡がる。つまり、主要抵抗線がない。上昇基調を確認して、押し目買いを検討したいところだ。
予想レンジ | 0.670ドル~0.6850ドル |
抵抗線 | 0.6830ドル |
支持線 | 0.6740ドル |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
米小売売上高 | 21:30 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。
執筆者
Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)
認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得