米消費者物価指数は鈍化、利上げ停止観測が高まるも限定的な動き【2023年5月11日】
2023年5月11日
Markets Analysis
目次
ファンダメンタル分析
- ナスダックとS&P500は上昇、ダウ平均株価は3日続落
- 米消費者物価指数は約2年ぶりに5%を下回る、米インフレの鈍化傾向が示唆
- 6月のFOMC会合で利上げ停止の可能性もあり、ドル安で反応
- 米生産者物価指数(PPI)にも注目、PPIでもインフレ鈍化となるかに関心
- 英政策金利が発表予定、0.25%の利上げ予想
テクニカル分析
米CPIはインフレ鈍化傾向を示唆する結果となった。為替相場はドル安円高で反応した。発表直後に135.50円から134.50円に下落し、朝方も円が買われる結果となっている。株式相場はダウ平均株価以外は上昇で反応した。ゴールドであるが、利上げ停止や利下げで動きやすい方向は上昇であるが、強い売り圧力で2050ドルから2020ドルまで押し戻されてしまい、高値更新とならなかった。
ドル円(USDJPY)
ドル円の日足チャートを分析する。節目の支持線である134.480円を割り込み、円高基調となっている。米利上げ停止観測が強まり、これ以上の日米金利差拡大なしとなれば、円高になるのも自然である。
目先の目標下値は133.68円付近である。133円台は支持線が少ないため、一気に133円前半まで雪崩れ込む可能性もあり、円高リスクに一定の警戒が必要だろう。しばらくは売り方向を検討したい。
予想レンジ | 133.0~135.57円 |
抵抗線 | 134.90円 |
支持線 | 133.18円 |
ポンドドル(GBPUSD)
本日はポンドドルの変動要因となる英政策金利の発表が予定されている。ポンドドルの日足チャートを分析して見る。ポンドドルは身動きがとれなくなっており、上値も下値も堅くなっているため、どちらかに抜ければストップロスを巻き込んで大きく動くだろうと想定できる。
英国はインフレ鈍化傾向が見られず、利上げ継続方針だ。一方、米はインフレ鈍化傾向となって利上げ停止の可能性がある。総合的に考えると、ポンドドルの買い方向が良いだろう。1.2680ドルが大きな抵抗帯となっている。結果を見て、トレードしたい。
予想レンジ | 1.2539~1.2708ドル |
抵抗線 | 1.2676ドル |
支持線 | 1.2582ドル |
ナスダック(NASDAQ)
ナスダックは金融株が含まれないため、主な変動要因となるのは政策金利と企業決算である。企業決算は比較的良好で、利上げ停止となれば、上昇しやすい地合いとなる。13440ドルが目先の上値目標と予想する。上昇チャネルが継続しており、買い方針で臨みたい。長期的な目標は13900ドルである。
予想レンジ | 13160~13544ドル |
抵抗線 | 13435ドル |
支持線 | 13260ドル |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
英中銀政策金利 | 20:00 |
英BOE総裁記者会見 | 20:30 |
米生産者物価指数(PPI) | 21:30 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。
執筆者
Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)
認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得