原油が上昇、サウジアラビア高官が投機的な空売りに警告【2023年5月24日】
2023年5月24日
Markets Analysis
目次
ファンダメンタル分析
- 米主要株価指数は反落、米債務上限交渉で合意できず
- デフォルトリスクを意識してNY時間は円買いがやや強まる
- サウジアラビア高官が投機的な動きに警告、具体的な措置には触れず
- 豪ドルが全面安、レンジ相場の下限に近づく
- ドル円はほぼ動意なし、様子見姿勢で方向感が定まらず
- ユーロ圏の製造業指数が縮小、ユーロドルは反落
テクニカル分析
米債務上限交渉が進展せず、だんだんムードが怪しくなってきている。ドル円は方向感を失って交渉の行方を待っているようである。デフォルトが本当に発生すれば、市場は大混乱となり、急激な円高となる可能性がある。原油はじり高となっている。サウジアラビア高官が空売り投資家に警告のようなコメントをしたため買い優勢となった。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドルの日足チャートを分析する。上昇トレンドから下落トレンドに転換しつつあり、1.2373ドルまで下落した。意識されている価格帯として1.2359ドルは重要であると考える。本日は英消費者物価指数が発表予定であり、インフレ率が抑制されているかどうかに注目だ。インフレが抑制されていれば、利上げ停止になる可能性があり、下落圧力が強まる。
下ヒゲが伸びているため、押し目買い意欲もあるようである。結果を見て、相場についていきたい。
予想レンジ | 1.234~1.25ドル |
抵抗線 | 1.2472ドル |
支持線 | 1.2359ドル |
NZドル(NZDUSD)
NZの政策金利が発表予定である。0.25%の利上げが予定されているが、チャートの形状は下落を示唆している。「逆N字」となっており、適用すると目標価格が0.6050ドル付近となる。下落方向になれば、移動平均線が支持帯となる可能性がある。政策金利の発表前後はボラティリティが高まるため、注意したい。
予想レンジ | 0.6213~0.6312ドル |
抵抗線 | 0.628ドル |
支持線 | 0.6222ドル |
原油(USOUSD)
原油は小幅なレンジ相場を形成しているが、やや上昇基調となっている。大きな抵抗帯となるのが73.73ドル付近と予想する。73.73ドルを上回ると、再び移動平均線に接近する可能性も否定できない。サウジアラビアの高官が投機的な動きに警告を発したことが上昇の要因となった。
一方、米景気減速が意識され始めると、原油需要が意識されて下落圧力が強まる。サウジアラビア高官の発言の真意が分かるまでは慎重に取引したほうが良いだろう。
予想レンジ | 69.84~74.52ドル |
抵抗線 | 73.73ドル |
支持線 | 72.27ドル |
本日の重要経済指標
経済指標やイベント | 日本時間 |
NZ政策金利発表 | 11:00 |
英消費者物価指数 | 15:00 |
米FOMC議事要旨 | 翌3:00 |
※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。
執筆者
Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)
認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得