ロシア情勢が不安定化、地政学リスク上昇でゴールドが急騰【2023年6月26日】

2023年6月26日

Markets Analysis

ファンダメンタル分析

  • 米株価指数は反落、米経済指標悪化と利上げ見通しで景気後退懸念が強まる
  • ロシアの軍事会社ワグネルが武装蜂起、モスクワへ進軍し一時厳戒態勢
  • ワグネル代表のプリゴジン氏がロシア国外へ、ウクライナ紛争での影響力が低下
  • 地政学リスク上昇でゴールド上昇、1910ドルから1937ドル台へ

ゴールドテクニカル分析

ゴールドはレンジ相場を下抜けして売り優勢になっている。米FRBが年内2回の利上げ見通しを示し、ゴールドの魅力が低下していた。1910ドルの支持帯まで売り込まれたが、ロシア国内情勢の緊迫化により、急騰。1937ドルまで買われ、週明けは1924ドル台で取引されている。

長期分析(4時間足)

4時間足チャートを分析する。節目となっている高値・安値にフィボナッチリトレースメントを描画すると、61.8%が1910ドルに該当し、反発していることが確認できる。また、RSIは31の売られすぎ水準で反発して43となっている。

4時間足のRSIではダイバージェンスが発生しているため、1900ドルを割れなければ、再び上昇する可能性がある。一方、1900ドルを割ると、ストップロスを巻き込んで1860ドル付近まで一気に下落する可能性がある。

【XAUUSD/4時間足】

短期分析(1時間足)

ゴールドの1時間足チャートを分析する。1910ドルで反発した後、1937ドル付近まで急騰している。一目均衡表の雲上限価格に該当する。その後、反落するも、遅行線はローソク足を上抜き、転換線は基準線を上回っている。

RSIは51付近で推移し、買い優勢の水準に回復。RSIの直近高値である59を上抜ければ、70を目指す可能性がある。つまり、価格上昇に勢いがつく可能性がある。

【XAUUSD/1時間足】

デイトレード戦略

デイトレード方針は深い押し目買い。チャート的には売り優勢だが、1900ドル付近には大きな支持帯がある。また、1895ドルはピボットポイントのS2に該当する。1895ドル~1900ドル付近で買いを仕掛けてみたい。

1895ドルを割れば、支持帯がほとんどなくなり急落する可能性がある。ストップロスは必ず設定しておくべきだろう。また、短期下落方向についていくことも検討できる。売りを仕掛けた場合、1886ドル、1881ドル付近での決済を考えている。

サポート・レジスタンスライン

今後、考慮すべきレジスタンスラインは以下のとおり。

1922・・ピボットポイント

1900ドル・・主要支持帯(ラウンドナンバー)

1895ドル・・ピボットポイントS2

市場センチメント

USDJPY 売り:34% 買い:66%

本日の重要経済指標

経済指標やイベント日本時間
6月独IFO企業景況感指数17:00
ラガルドECB総裁発言翌1:30

※当記事内のトレードアドバイスは、ミルトンマーケッツからのものではなく、国際認定テクニカルアナリストShu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)からの提供となります。

執筆者

Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)

認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得

金融機関向けテクニカル分析レポート執筆者。自身も毎日FX・CFDトレードを実践しており、現役トレーダーによる実際の取引に役立つ情報を提供。事前に知っておきたい相場の流れ、注目の通貨ペア、意識されやすい価格帯、ファンダメンタルを詳細かつ簡潔に解説。