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国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 3

作成日:2024年4月3日更新日:2024年4月3日
国際認定テクニカルアナリスト、シュウ・フジヤス・ジュニア氏に独占インタビューしました!Vol. 3

国際認定テクニカルアナリストに独占インタビュー

2023年の春、ミルトンマーケッツのマーケット分析の舵を取ったシュウ・フジヤス・ジュニア氏。彼の独創的な視点は、国際認定アナリストとしての彼の旅の始まりから、日々の分析に至るまで、数多くのトレーダーにとっての羅針盤となっています。

今回、私たちは再びフジヤス氏に焦点を当て、彼がどのようにして市場の複雑性を解き明かし、先を読む洞察力を養ってきたかを掘り下げました。

Q1.最近の金融政策の変更についての見解:「日銀の金融政策の動向が注目されていますが、具体的にどのような変更が予想されますか?また、これらの変更が市場に与える影響をどのように予測していますか?」

最近の日銀の金融政策については、17年ぶりの実質的な利上げとなるマイナス金利の解除が決定されましたが、同時に緩和的な環境を維持する姿勢が強調されすぎたと見ています。その結果、材料出尽くしとなり、ドル円は151円台を下回らない状況が続いており、厳しい金融政策運営を強いられていると言えるでしょう。

政府高官による円安けん制発言が繰り返されていますが、根本的なファンダメンタルズとしては日米の金利差が重要です。米国では経済指標が良好であり、3月29日に公表されたISM製造業指数も市場予想を上回りました。これにより、2024年6月の利下げ可能性が一時50%を割る状況となっています。

一方、日本は物価上昇に伴って消費の弱さが経済指標で示されており、大幅な利上げは難しい状況にあります。したがって、日米金利差の縮小は容易ではなく、円安圧力が続くと予想されます。日銀としては、物価と経済成長のバランスを取りながら、慎重な金融政策運営を行わざるを得ない状況です。

Q2.特定の通貨ペアの将来的な動向:「ドル円とゴールドに注目しているとのことですが、今後数ヶ月間でこれらの通貨ペアの動向に影響を与えると考えられる主な要因は何ですか?」

ドル円については、今後も円安ドル高方向への推移が予想されます。4月の米雇用統計が弱い結果となれば別ですが、強い数字が出るようであれば、ドル売りになる要因は乏しいでしょう。今後、153円付近までの上昇も視野に入れる必要があります。仮に為替介入があったとしても、それは一時的な押し目となり、むしろ買いエントリーのチャンスと捉えることができます。

ゴールドは最近、2262ドルまで上昇し、史上最高値を日に日に更新している状況です。RSIやオシレータ系指標では過熱感を示す水準になってきています。フィボナッチエクスパンションで考えると、多少の誤差はあるとしても2300ドル~2330ドル付近で天井を形成するのではないかと予想しています。

ドル円もゴールドも、「金利政策」に関する発言やコメント、そして米国経済の強さがどこまで続くかという点に注目したいと考えています。

Q3.ポートフォリオの多様化について:「最近の市場の不確実性を踏まえて、ポートフォリオの多様化についてどのような戦略を取っていますか?特定のセクターや通貨ペアに焦点を当てるのではなく、リスクを分散するために採用している新しい方法があれば教えてください。」

ポートフォリオの多様化については、最近ユーロドルやポンドドルが動き出してきたと感じています。過去数か月間はパッとしない動きが続いていましたが、ポンドドルは200日移動平均線を直近でブレイクアウトしました。欧州圏は経済指標が弱くなっており、米国とは対照的な状況にあります。そのため、ドル高になる傾向があると見ています。

欧州圏の経済指標は米国と比べて弱い数字が目立っており、両地域の経済状況は対照的となっています。このような環境下では、ドル高になりやすい傾向があります。そのため、現在はクロス円よりもドルストレート通貨ペアの取引に注目しています。

具体的には、ドル円とゴールド、ユーロドルやポンドドルに分散してポジションを取ることが有効だと考えています。それぞれの通貨ペアについて、ファンダメンタルズとテクニカル分析を組み合わせて分析を行うことが重要です。

ファンダメンタルズ面では、各国の経済指標や金融政策、地政学的リスクなどを注視し、通貨の需給バランスを把握することが求められます。一方、テクニカル分析では、トレンドラインやサポート・レジスタンスラインといった重要な価格水準や、移動平均線のクロスなどに着目し、適切なエントリーポイントとリスク管理を行う必要があります。

このように、ドルストレート通貨ペアに焦点を当てつつ、ファンダメンタルズとテクニカル分析を融合させたアプローチを取ることで、リスクを分散しながら、市場の変化に柔軟に対応できるポートフォリオを構築することが可能だと私は考えています。

Q4.トレード戦略の適応:「市場の変動性が高まる中、あなたのトレード戦略にどのような変更を加えていますか?また、新たに取り入れているトレード手法があれば、その詳細を教えてください。」

トレード戦略については、相場の状況に応じて使い分けることが重要だと考えています。例えば、ポンドドルでは200日移動平均線や支持線・抵抗線を活用し、ドル円はレンジ相場になっているのでレンジ上限のブレイクアウトを待つ戦略を取っています。ゴールドについては、フィボナッチエクスパンションを用いて価格目標を設定しています。

また、全ての銘柄のファンダメンタルズを一覧にしてスプレッドシートにまとめ、週末に定期的に見直しを行うことで、相場環境の変化に対応しています。相場を分析する上で、自分の得意とする「道具」を状況に応じて使い分けることが大切だと考えています。

Q5.経済的・政治的イベントの影響:「近い将来に予定されている経済的または政治的イベントの中で、特に市場に大きな影響を与えると考えられるものはありますか?その理由と共に、予想される市場の反応について教えてください。」

経済的・政治的イベントの影響については、特に米国の雇用統計や消費者物価指数が市場に大きな影響を与えると予想しています。今月の第一週には米雇用統計の発表が予定されており、強い数字となればドル高がさらに進む可能性が高いでしょう。また、イースター休暇明けは市場参加者が積極的に取引をするシーズンとなるため、4月、5月、6月は大きなトレンドが発生しやすい時期だと言えます。

一方で、「セルインメイ」と呼ばれる株価下落のアノマリーも存在します。現在、株価やゴールド、ドル円には過熱感があるのは否めません。そのため、相場は毎日分析し、戦略を随時見直すことが重要だと考えています。市場の変化に柔軟に対応しながら、リスク管理を徹底することが、安定したパフォーマンスを達成するための鍵となるでしょう。

Shu Fujiyasu Jr.(シュウ・フジヤス・ジュニア)

認定テクニカルアナリスト(CMTA)取得
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)取得

FXや先物取引の第一線で20年以上の経験を持つ現役トレーダー。ファイナンシャルプランナーの資格保有者。電話取引の時代から取引を実践し、最近では裁量トレードから自動売買まで、幅広い手法で相場に挑み続ける。MAMトレーダーとしても実績を積み、投資家の資金を預かり運用。金融機関向けに記事を執筆するなど、トレードの枠を超えて活躍。長年培ってきた経験と独自の視点で相場を分析し、投資家の頼れるパートナーとして、時代の変化に柔軟に適応しながら、共に成長していくことを目指す。

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